シンポジウム:淀川のイタセンパラ守れ、絶滅防ぐ方策を探る/大阪

 環境省の絶滅危惧(きぐ)種に指定され、国内有数の生息地の淀川でも06年から姿が確認されていないタナゴの一種「イタセンパラ」。絶滅を防ぐ方策を検討するシンポジウムが1日、大阪市東住吉区の市立自然史博物館であった。参加した140人を前に研究者らが現状を報告。「イタセンパラはひん死の状態。住むのに適した環境を取り戻さないと本当に絶滅してしまう」と訴えた。


 イタセンパラは淀川河川敷の水たまり「城北(しろきた)わんど群」(同市旭区)を中心に生息。01年は8000匹近く確認された。しかし、最近3、4年で、ブルーギルなど外来魚の増加に加え、淀川大堰(ぜき)で川がせき止められ流れが緩やかになり、飲み水確保のため水位を上げていることなどが重なって数を減らしたとみられている。
 生態の研究を続ける小川力也・府立西野田工業高教諭は「繁殖には日当たりのよい深さ30センチの浅くて広い水域が必要だが、今の淀川にはない」と指摘。上原一彦・府水生生物センター研究員も「わんどが60年代には500あったが、今は40ほどになり、生息域が減った」と話した。
 村上興正・同志社大講師は「堰の稼働(83年)前は、洪水で水位が2〜3メートル変動し、生息に適した環境を作っていた。可能な限り水位変動を増やさなければ」と提案。河川管理者の吉田延雄・国土交通省淀川河川事務所長は「治水のために川底を深く掘ったことと、高い水位が原因と考えている。イタセンパラは自然に修復できる状態ではなく、わんどからポンプで水をくみ上げ、水位を下げるなどの対策を取る」と改善策を示した。【野田武】 3月2日朝刊

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